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2021.06.18

トタン屋根の雨漏り修理はDIYでできる?雨漏りの原因や費用相場を解説

  • 屋根知識
トタン屋根の雨漏り修理はDIYでできる?雨漏りの原因や費用相場を解説

安価で丈夫、施工のしやすさから屋根材として広く使用されていたトタン屋根。ガルバリウム鋼板の普及とともに、新築住宅で使用することが少なくなってきましたが、まだまだ使用されている建物も多くあります。

トタン屋根に不具合が起こると、少しでも費用を安く抑えるために修理をDIYで行いたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

しかし、素人ではトタン屋根のすべての不具合を把握できず、DIYでは完全に修理できません。また高所での作業は非常に危険。DIYでの修理は応急処置にとどめ、手の届く範囲で行いましょう。

この記事ではトタン屋根の特徴やDIYでできる応急処置の方法、メンテナンスのタイミングを紹介します。

適切にトタン屋根のメンテナンスを行い、住宅を長持ちさせるための参考にしてください。

 

トタン屋根の特徴

トタン屋根の特徴は安価で施工がしやすく、丈夫なこと。1960年前後の高度成長期ごろから、長年建物の屋根材として普及していました。同じ金属で耐用年数が長いガルバリウム鋼板が普及されるようになってから、新築住宅で使用されることはほとんどなくなりました。

 

1.トタン屋根とは

鉄板を亜鉛メッキで覆ったものがトタンです。このトタン板を葺いた屋根がトタン屋根。

主に次の4種類があります。

  • 波型トタン屋根
  • 瓦棒葺きトタン屋根
  • 立平葺きトタン屋根
  • 折板トタン屋根

一般的なトタン屋根として思い浮かべる方が多いのが、波型トタン屋根。波の大きさは、大小あり、薄い鋼板の強度不足を補うために波型に加工されています。

瓦棒葺きトタン屋根は、屋根の傾斜に合わせて等間隔に線が入っています。この線には、木製の桟が渡されており、桟にひっかけるようにしてトタン板を敷きます。1枚のトタンで施工するので、雨漏りに強いのが特徴です。

立平葺きトタン屋根は、桟を使わないで葺かれた屋根のこと。桟がないので、瓦棒葺きトタン屋根よりも防水性に優れています。新しい工法のため、トタンが用いられることはあまりありません。

折板トタン屋根は、工場などでよくみられるトタン屋根です。波型トタン屋根よりも、大きく鉄板を折り曲げ強度を増しています。あまり勾配のない屋根にも使え、住宅よりも工場や体育館など大きな建物で使われます。

このように屋根材としては、広く普及していたトタン屋根ですが近年は減少傾向。次に、トタン屋根のメリットやデメリットを紹介します。

 

2.トタン屋根のメリット

  • 材料費や施工費が安い
  • 丈夫
  • 軽量で建物の負担が少ない
  • 耐震性が高い
  • 雨漏りに強い

トタン屋根のメリットは、材料費や施工費が安いこと。材料費が安く施工も簡単なので、短期間で安く屋根工事ができます。また、軽量なので建物にかかる負担が少なく、耐震性も高いのが特徴。鉄板の継ぎ目が少ないので、雨漏りに強いのもメリットです。

 

3.トタン屋根のデメリット

  • 耐熱性が低い
  • 雨音が伝わりやすい
  • サビが出やすい
  • 定期的なメンテナンスが必要

反対にトタン屋根のデメリットは、耐熱性が低いこと。鉄板は熱伝導率が高く、夏場は屋根の温度が70度以上になることも。断熱処理をしっかりしないと、冷房費用がかさみます。また、雨音にも注意が必要。雨が屋根にあたりカンカンと音がするので、うるさいと感じることもあります。

金属なのでサビが出やすく定期的なメンテナンスが必要。トタン屋根は、7~10年サイクルで塗装が必要なので手間がかかることもデメリットです。

 

トタン屋根で雨漏りが起こる原因

雨漏りに強いトタン屋根ですが、経年劣化によるサビやはがれにより雨漏りがしやすくなります。トタン屋根の雨漏りの原因は主に次のような理由からです。

 

1.サビ

トタン屋根のトタンには、サビを防止するため亜鉛メッキが塗られています。経年劣化により、この亜鉛メッキがはがれるとそこからサビが発生し、サビの部分がもろくなります。最後には穴が開き、そこから雨漏りが発生します。

 

2.棟板金

トタン屋根の棟板金のはがれも雨漏りの原因になります。棟板金は、屋根の面と面を合わせた頂点にある部材のこと。棟板金が経年劣化により不具合を起こしたり、風などで飛ばされたりした場合に、そこから雨水がしみ込み雨漏りが発生します。

 

雨漏りを放っておくとどうなる?

少しくらいの雨漏り、放っておいても大丈夫と思うかもしれませんが、少しの雨漏りでも放っておくのは危険です。

雨漏りは、不動産業界の中では建物の価値が最も下がるトラブルとも言われています。少しの雨漏りでも放置しておくと、家の資産価値がどんどん下がってしまいます。

ここでは、雨漏りを放置すると起こることを解説します。

 

1.建物の腐食

建物に雨水がしみこむことにより起こるのが、建物の腐食です。建物の木の部分に、水がしみこみ腐食し、鉄骨鉄筋コンクリート住宅の場合も、金属部分がサビて腐食します。建物の構造体が腐食すると建物全体の強度がなくなり、結果的に耐震性もダウン。耐久性もなくなるため、建物の寿命が短くなります。最悪の場合、雨漏りの腐食のために天井がぬける、家が傾く、家が倒壊するなどの被害があることも。

また雨漏りをしている家は、家全体の湿度が上がり結露も多くなります。しかも湿気を含んだ木材はシロアリの大好物。床がフワフワする、建付けが悪いなどと感じるようなると、シロアリが発生している可能性があります。シロアリは、ひどい場合には柱1本丸ごとなくなることもあり、家の建て替えが必要になる場合もあります。

 

2.家具・家電の破損

雨漏りすると、天井から壁をつたい雨水が室内に染み出します。雨水が染み出した先にある、家具の破損や家電が故障の原因になることがあります。

電化製品の場合は、水がかかることにより漏電し火災が起こる可能性も。水がついた電化製品に触れることで感電して大けがをする危険もあります。

 

3.カビやシミ

雨水が壁をつたうことで、壁にカビやシミができます。壁のシミは取りづらいので、きれいにするためには壁一面全体の張替が必要になる場合もあります。

見える部分のカビやシミは少しかもしれませんが、壁紙をはがしたり家具を動かしたりするとカビがびっしりということも珍しくありません。壁内や天井裏にカビが生えることもあり、目に見えない部分にも発生しているのです。

カビは深刻な健康被害の原因になります、カビアレルギーを起こすと、咳や頭痛、呼吸困難などが起こり、ひどい場合は家に住めなくなることもあります。

 

トタン屋根の修理はDIYでも可能?

放っておくと危険な雨漏り。しかし修理費用をできるだけかけたくないと思う方も多いのではないでしょうか。

そんな時に便利なのがDIY。とはいえ、トタン屋根のDIYは素人でも可能なのかが気になりますよね。

そこで、ここではトタン屋根のDIYについて解説します。

 

1.DIYでの修理は手の届く範囲まで

トタン屋根の修理は、応急処置であればDIYでも可能です。しかし、トタン屋根の上にあがるのは非常に危険。屋根修理の専門業者でも、屋根修理の際には万全の安全対策を行い作業しています。実際にDIYで屋根修理を行い落下する事故は非常に多いのです。

DIYでの修理は、高所作業になるため落下の危険が伴います。必ずヘルメットをかぶり、1人で作業しないで、2人以上でお互いに声を掛け合いながら行うことがおすすめ。DIYでの修理は手の届く範囲まで、1階の屋根までにとどめましょう。

 

2.DIYでの修理は応急処置まで

DIYでの修理は、あくまでも応急処置。プロと素人では、作業内容や丁寧さがまったく異なります。

また、雨漏りによる不具合は見える箇所だけでなく建物内部まで浸透している可能性もあります。素人には修理箇所を見極めるのは困難なため、根本的な補修は難しいのです。

また、屋根の補修の際に気づかないうちに別の箇所を傷つけてしまう可能性もあります。DIYの修理は応急処置と考え、できるだけ早く専門の屋根修理業者に連絡しましょう。

 

トタン屋根のDIYでの応急処置

ここでは、DIYでできるトタン屋根の応急処置の方法を紹介します。

屋根修理は高所作業になります。安全には十分に配慮し、自己責任で行ってください。

 

1.防水テープ

穴が空いている箇所は、防水テープでふさぎます。屋外で使える防水テープは非常に手軽に使えるので、簡単に穴をふさぐためには最適。必ず屋外用の防水テープを使いましょう。

テープを貼る箇所の塗装を紙やすりではがし、汚れや削りカスをしっかりと拭取ります。汚れがあると防水テープが付きにくくなるので、拭取りは丁寧に。少し広めに穴をふさぐように防水テープを貼ります。

防水テープは、表面がアルミでおおわれているものが丈夫でおすすめですが、修理箇所が目立つデメリットもあります。

 

2.コーキング

雨漏りの原因が屋根の隙間の場合は、コーキング材で埋めるのもおすすめです。コーキング材は、外壁や窓枠などの隙間を埋めるためのペースト状の建築材料のこと。コーキングは丁寧に打たないとすぐに取れてしまうため、下記の手順で慎重に行いましょう。

  1. コーキングを打つ場所と周りを丁寧に雑巾で拭く
  2. 雨漏り箇所の周りをマスキングテープで養生する
  3. コーキングが付着する面にコーキング材を補強するプライマーを塗る
  4. 表面が乾燥したら少し盛り上がるくらいにコーキングを打つ
  5. コーキングが乾燥する前にへらでマスキングをはがす
  6. コーキングが乾燥したら完了

コーキングは屋根の補修だけでなく、他の場所の補修にも使えるので一式用意しておくと便利です。

 

3.ブルーシート

雨漏りの箇所がはっきりとわからない場合は、屋根全体をブルーシートで覆いましょう。ブルーシートの固定は、土のう袋を四隅に置き強力なテープで固定します。ロープでの固定は外壁や屋根を傷つける可能性があるのでやめましょう。

土のう袋はかなり重いので、屋根にあげるのはかなりの重労働。危険なので1人での作業はやめてください。

ブルーシートをかぶせたまま放置すると、雨水が乾燥せず状態をさらに悪化させる可能性があります。雨が上がったあとはすぐにブルーシートは撤去しましょう。

 

業者が行うトタン屋根の修理と費用相場

専門の屋根修理業者が行う修理方法は次の4種類です。

  • 塗装
  • 部分修理
  • 葺き替え
  • カバー工法

それぞれの修理の方法と費用の相場を紹介します。

(費用相場は25坪の場合)

修理方法 費用 日数
塗装 40〜80万 10〜15日
部分補修 5〜50万 1〜4日
葺き替え 140〜200万 7〜15日
カバー工法 80〜120万 5〜10日

 

1.塗装

費用相場:1㎡当たり約3,000~5,000円(約40~80万円)

目安所要日数:10~15日

トタン屋根の色が褪せている部分や金属がむき出しになっている部分に色を塗ります。費用は使用する塗料の種類や施工面積によって変動します。塗料の剥げやサビはあっても、穴あきなどの損傷はない場合に最適です。

塗料を塗ることでイメージが変わり、見栄えもよくなります。

 

2.部分補修

費用相場:1㎡当たり約5,000~8,000円(約5~ 50万円)

目安所要日数:1~4日

雨漏りが小さい場合は部分補修が可能。雨漏りがある部分のみコーキングなどで補修します。最小限の費用で補修できることがメリットです。穴あきなどの破損個所は、新しいトタンと交換します。サビている部分はサビを落とし、サビ止め材を塗り塗料を塗って仕上げます。補修箇所としては、表面、棟板金、軒先、雨樋など。屋根の部分によって補修費用は異なり、棟板金の部分は1か所50,000円以上になる場合もあります。

 

3.葺き替え

費用相場:1㎡当たり約7,700~13,000円(約140~200万円)

目安所要日数:7~15日

既存のトタン屋根を撤去し新しい屋根に葺き替える工事です。施工期間が長く、既存屋根の撤去費用も必要なので、費用が高めになります。使用する屋根材によっても価格が変動します。

葺き替えは費用が高額になりますが、耐久性が大幅に上がることがメリットです。また既存屋根を撤去すると、屋根の下地部分を確認可能なので下地に傷みがある場合も同時に補修できます。トタン屋根の耐用年数が近い場合にも最適です。トタン屋根の葺き替えの場合は、耐久力が優れたガルバリウム鋼板に葺き替えるのが主流です。

 

4.カバー工法

費用相場:1㎡当たり約5,000~10,000円(約80~120万円)

目安所要日数:5~10日

既存の屋根の上に新しい屋根をかぶせる方法です。屋根の損傷が激しく、部分補修では補修できないができるだけ費用を抑えたい場合におすすめです。葺き替えに比べ、既存の屋根を撤去する必要がないので費用が安くなります。

ただし、屋根内部の損傷が直るわけではないので、不具合が内部にまで及ぶ場合には向いていません。費用相場は、使用する屋根材によっても変動します。屋根材にガルバリウム鋼板を使用すると費用が高額になります。

 

トタン屋根の修理費用を安く抑える方法

トタン屋根の修理は、修理方法によって異なります。屋根全体に及ぶ、葺き替えやカバー工法になると費用も高額。少しでも費用を抑えたいと思いますよね。

そこでここでは、トタン屋根の修理費用を安く抑える方法を紹介します。

 

1.火災保険を利用する

火災保険は火事の場合だけ補償されるものではありません。屋根の破損や雨漏りの原因が台風や強風、暴風雨、竜巻などの自然災害の場合、火災保険が適用され自己負担なく修理できる場合があります。

ただし経年劣化や、故意の破損、一度火災保険を利用した後の再発などは適用されない可能性も。また保険会社によっては補修費何円以上、申請期限は破損から何年以内などの制限を設けていることもあります。屋根の状況を保険会社に伝え、保険が適用されるかを事前に確認しましょう。

 

2.優良業者に依頼する

屋根修理を安く抑えるためには業者選びもポイント。業者によっては、部分補修で済むところを葺き替え工事にされ費用が高額になることも。悪徳業者に依頼すると、屋根の状態確認もなしに相場よりも高額な見積りを出されることもあります。

優良業者を見分けるポイントは

  • 現地調査が丁寧
  • 見積りが細かく説明も丁寧
  • 質問には丁寧に対応してくれる(専門知識がある)
  • 相見積もりにも応じてくれる
  • 契約を急かさない

などがあります。

誠実に対応してくれる業者であれば、アフターフォローも万全です。屋根修理は、時間が経ってから不具合がわかることもあるので、信頼できる業者に依頼しましょう。

 

トタン屋根の年数別メンテナンス方法

最後にトタン屋根の年数別メンテナンス方法を紹介します。

基本的にトタン屋根の耐用年数は約10~20年と言われています。さらにトタン屋根は定期的なメンテナンスが必須。適切なメンテナンスを行い、トタン屋根の耐久性を保ちましょう。

1.築7~10年築7~10年目までに塗装の塗り替えをしましょう。色褪せが出てきたら塗装のタイミング。サビが出る前に塗装をするとトタン屋根の寿命を伸ばせます。その他、チョーキングと呼ばれる症状も塗り替えのサイン。チョーキングは塗膜表面が紫外線や気温などの環境により劣化し、チョークのような白い粉が現れること。放置すると塗膜が一気に劣化してしまいます。
2.築10~15年トタン屋根の状態により、塗り替えや葺き替えを検討します。サビやひび割れ、塗膜のはがれがある場合は早急に塗り替えを。サビを放置すると一気に広がる傾向があります。さらにサビが進行しトタン屋根に穴が開くと塗装では対応できないので、カバー工法や葺き替えが必要になります。
3.築15~20年築15年を超えるとトタン屋根の耐用年数に近づいてきます。しかし、定期的にメンテナンスをしてきて立地や環境に恵まれている場合は塗装で対応できる可能性も。専門の屋根修理業者に相談しましょう。
4.築20年~築20年過ぎると、トタン屋根の耐用年数を超えるので、カバー工法か葺き替えを検討しましょう。大きな不具合がなく、少しでも費用を抑えたいのであればカバー工法がおすすめです。トタン屋根のカバー工法や葺き替えを行う場合は、トタン屋根と同じ金属で耐用年数が長いガルバリウム鋼板がおすすめです。

まとめ:トタン屋根のDIY修理は危険!業者に依頼するのがおすすめ

長年住宅の屋根材に使用されてきたトタン屋根。トタン屋根は定期的なメンテナンスが必要です。怠ると塗装がはがれサビてしまい、進行すると穴が開き雨漏りなどの不具合が起こります。トタン屋根のDIYでの屋根修理は危険です。高所作業になる屋根修理は転落の危険があり、プロは万全の安全対策を取り行います。また雨漏りは、建物内部まで不具合を起こしている可能性もあり素人では判断が難しいことも。トタン屋根のDIYでの修理はあくまでも応急処置と考え、早急に業者に依頼するのがおすすめです。信頼できる業者に依頼し、トタン屋根の状態をしっかり確認してもらいましょう。

 

築年数 必要なメンテナンス
7~10年 塗装
10~15年 塗装または屋根カバーか、葺き替え
15~20年 屋根カバーか、葺き替え
20年~ 屋根カバーか、葺き替え

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