コラム

2021.09.03

トタン屋根の修復は塗装で大丈夫?塗装方法やおすすめの塗料を解説

  • 屋根知識
トタン屋根の修復は塗装で大丈夫?塗装方法やおすすめの塗料を解説

一般的にトタン屋根は、5~10年ごとにメンテナンスが必要と言われています。トタン屋根はだんだんとサビが目立ってくるため、気になるという方も多いのではないでしょうか。

トタン屋根の劣化の状態によっては、塗装だけで対応できる場合もあります。しかし、塗装だけで対応できる状態を放置すると、トタン屋根全体の葺き替えが必要になるほど屋根の劣化が進み、高額はリフォーム費用がかかったということもあります。

この記事では、

  • どんな補修が必要かわからない
  • 補修費用がいくらかかるか不安

という方のためにトタン屋根の塗装について解説します。

塗装で対応可能な症状、おすすめ塗料、塗装方法や費用の目安などを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

塗装で対応可能なトタン屋根の劣化症状

トタン屋根は劣化の状態に合わせて補修が必要です。メンテナンス時期ではなくても、劣化症状が見られたら早めに補修することでトタン屋根が長持ちします。

トタン屋根は、初期段階であれば塗装で対応可能。ここでは、塗装で対応可能なトタン屋根の劣化症状について解説します。

 

塗装で対応可能

  • サビ
  • 変色
  • チョーキング
  • 塗装剥げ
  • カビやコケ
  • ひび割れ
  • 釘浮き
  • 継ぎ目が外れている

トタン屋根が上記の症状の場合、塗装で対応可能です。釘浮きや継ぎ目の外れがある場合は、塗装前に補修します。

変色は色あせなども含みます。チョーキングとは、塗膜の表面に白い粉が浮いている状態のこと。手で塗装面を触ると、白い粉が手につきます。塗装が劣化しているので、塗料の効果が発揮できません。

トタン屋根にカビやコケがあるのは、屋根に水分を含んでいる状態なので塗膜の防水機能が失われているということです。

このような症状はまだトタン屋根の劣化の初期段階。しかし放置するとトタン屋根はどんどん劣化が進みやがては穴が開いてしまいます。穴が開くと塗装によるメンテナンスはできず、屋根の葺き替えや重ね葺きが必要になる場合も。そうなると塗装よりも費用がかかることになります。

早めにメンテナンスするとトタン屋根が長持ちし、結果的にメンテナンス費用を抑えられます。

 

塗装では対応不可

  • 穴が開いている
  • 雨漏り

以上のような症状がある場合は、塗装だけでは対応できません。

上記でも解説した通り、サビや塗装剥げを放置するとそこから劣化が進み、やがて穴が開きます。開いてしまった穴を塗装で埋めることはできないので、屋根全体を取り替える葺き替えや、新しい屋根を上にかぶせる重ね葺き(カバー工法)が必要になります。

穴あきは雨漏りの原因にもなり、家全体を劣化させます。家全体に水分が回ると、屋根だけの補修では済みません。穴あきや雨漏りを見つけたら早めに補修しましょう。

 

トタン屋根に使われる塗料

トタン屋根は、長期間紫外線にさらされるため劣化が早くなってしまいます。トタン屋根の塗装には、耐久性の高い塗料がおすすめです。

塗料には、下塗り材と上塗り材があります。トタン屋根はサビに弱いため、下塗り材には錆止め塗料を使いましょう。

上塗り材には油性と水性の塗料があり、トタン屋根の塗装に使うのは、耐久性の高い油性の塗料がおすすめ。塗料によって耐用年数が違い、耐久性の高い塗料を選ぶと次回のメンテナンスまでの時期を伸ばせます。

ここでは、トタン屋根によく使用される塗料を紹介します。

 

1.合成樹脂調合ペイント

ニスのように透明な樹脂分に着色顔料を混ぜて作られた塗料が合成樹脂調合ペイントです。

塗装しやすいため、ホームセンターでも簡単に手に入る、最もなじみのある塗料です。

アクリル塗料よりも耐用年数が短いが安価で、比較的塗り替えもしやすいため現在でも広く使用されています。仕上がりがなめらかで、ツヤの有無の調整が可能な点もメリットです。

しかし耐久性は低く、2~3年でチョーキングが起こります。乾きにくい塗料のため、作業時間がかかる場合も。コンクリート素材が近くにあるとアルカリ成分が溶けだし、べたつきや変色の原因になります。

耐用年数が短いので、頻繁に塗り替えたい方におすすめです。

2.アクリル塗料アクリル樹脂を主成分とした塗料で、1950年ごろから開発製造が始まりました。発色のよさや塗りやすさから人気がありましたが、その後より高性能な塗料が広まり、現在の需要は減少しています。素人でも扱いやすく、安価なため、頻繁に塗り替えたい場合はメリットがあります。カラーバリエーションが豊富で、ツヤがあり色がはっきりとしていることも特長です。しかし、紫外線に弱いため耐用年数が短く、数年で塗膜の変色や劣化が見られます。塗膜が固いので、ひび割れも起こりやすく、短いサイクルでの塗り替えが必要になります。
3.ウレタン樹脂塗料ウレタン樹脂を主成分とした塗料です。ゴムのように柔軟性があり、密着性が高い塗料です。伸縮性があるので、塗膜内部でひび割れが起こっても表面までひび割れが広がりにくいことがメリットです。また、塗膜でひび割れをカバーしてくれることもあります。ツヤがあり高級感のある仕上がりで安価なので、塗装費用も安くなります。柔軟性があるので、複雑な雨樋や軒天などの塗装にも適しています。反面、耐久性が低く、汚れが付着しやすいことはデメリット。特にツヤ消しタイプは汚れが付きやすいので、古びた印象になってしまうこともあります。
4.アクリルシリコン樹脂塗料ウレタン樹脂とアクリル樹脂の長所をもっている塗料で、シリコン樹脂やシリコン塗料と呼ばれることもあります。近年個人住宅で使用される塗料の7~8割を占めると言われています。耐用年数が長く、耐熱性、耐水性、透湿性などの塗装効果が長持ちします。耐熱効果で夏場は涼しく、透湿効果で冬場は結露しにくいので、1年中快適に過ごせます。防汚効果に優れ、変色しにくいので美しい外観を保ってくれるのもメリットです。他の塗料と比べると費用が高くなりますが、長期間塗り替えの必要がないので、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れています。やや弾性が低いのでひび割れしやすいことがデメリットです。

トタン屋根の塗装方法

トタン屋根の塗装の流れを知っておくことも大切です。塗装方法や専門用語を知っておくことで、見積りを見るための知識が得られます。ここからは、トタン屋根の塗装方法を解説します。
1.ケレンケレンとは、トタン屋根の塗装をする前の下処理のことで、塗装部分をなめらかにすることを目的としています。ケレンは、塗装の仕上がりを左右する大切な作業なので、絶対に省略できません。汚れた塗膜を除去し毛羽立ちをなくすケレンをすると、塗料の密着度が上がるので塗装後にサビにくくなります。ケレンはワイヤーブラシを使い手作業で行われる場合と、サンダーという電気工具を使い行われることがあります。トタン屋根の状態によって作業レベルが異なり、4つの段階にわかれており、作業内容によって品質や費用が異なります。ケレンの作業内容や費用の相場は下記の表の通りです。
ケレン作業は重要な作業なので、見積書に含まれていない場合はケレンの作業方法について確認しましょう。
2.下塗り次に行うのが下塗りの工程です。トタン屋根の場合、錆止め塗料を塗布します。下塗りをしないでいきなり上塗りすると、半年もしないうちに塗装がはがれてしまいます。塗装に、より高い耐久性を持たせるためにも下塗りは大切。さらに下塗りは、中塗り・上塗りの塗料と屋根を密着させる効果もあります。錆止め塗料の種類は主に下記の4つ。

  • 一般錆止め塗料
  • シアナミド鉛錆止め塗料
  • 一液エポキシ樹脂錆止め塗料
  • 二液エポキシ樹脂錆止め塗料

もっとも錆止め効果の高い二液反応硬化型のエポキシ樹脂錆止め塗料がおすすめです。エポキシ樹脂系塗料は、近年の主流でもあります。下塗りに使う錆止め塗料は、金属の腐食を防ぐ効果があります。トタンの表面に被膜をはり、サビの原因である水や酸素を遮断することでサビや腐食を防いでくれます。特にサビやすいトタン屋根は、下塗りに錆止め塗料を使うことが大切です。
3.中塗り・上塗り錆止め塗料は、紫外線に非常に弱いので錆止め塗料を保護するために上塗り塗料を塗布します。メインとなる塗料は2回重ねて塗ることが基本です。1回目の塗布を中塗り、2回目を上塗りと言います。2回塗ることで、塗りムラや液だれが起こりにくく美しく仕上がります。薄く2回塗ることで、塗膜が均一になり塗料の効果を長期間発揮します。中塗りや上塗りは、上記の塗料の選び方を参考に最適な塗料を使用してください。

DIYでトタン屋根の塗装をする時の注意点

トタン屋根の塗装をDIYしたいという方もいるのではないでしょうか。トタン屋根の塗装はDIYでも可能ですが、危険を伴うためあまりおすすめしません。ここでは、DIYでトタン屋根の塗装をする場合の注意点について解説します。
1.足場設置はできないトタン屋根の塗装は高所作業なので足場が必要ですが、DIYでは足場の設置ができません。足場設置には「足場組立て等作業主任者」という国家資格が必要なので、資格がない素人に足場の設置はできません。しかし、足場なしの塗装作業は非常に危険。また、脚立やはしごだけでの作業はかなり難しい作業になります。塗る作業だけであればはしごでも可能ですが、屋根塗装をするためには工具や塗料缶を持って屋根に上がる必要があります。塗料缶は約20㎏の重さがあるため、はしごで持って上がるとバランスを崩して落下する危険性が高くなります。また屋根塗装の際には、高圧洗浄が必要です。高圧洗浄では周囲に汚れや水分が飛び散り近隣に迷惑をかける可能性があります。足場があれば、飛散防止シートを張ることで周囲への飛び散りを防げます。足場は、安全な作業や近隣への配慮のためにも必要です。足場を設置して作業をするプロの業者でも、屋根の塗装作業には細心の注意を払います。それでも落下する危険性があるのです。足場の設置ができない素人の場合、高所作業はかなりの危険を伴うことを理解しておきましょう。
2.ケレンをしっかりと行う上記でも解説した通り、トタン屋根の塗装で大切な作業がケレンです。ケレンは専門用語ですが、実は英語のクリーンがなまってケレンになったと言われており、きれいに掃除することがケレンです。ケレンとはサビを落とし、古い塗膜をはがして下地調整をすることです。屋根の塗装では、最初に高圧洗浄で既存の屋根をきれいにしますが、鉄素材のトタン屋根は、高圧洗浄ではサビや塗膜をすべて落としきれないため、ケレン作業が大切です。ケレンの目的は2つ。

  • 塗布面の調整
  • 塗料の密着度の向上

1つ目の目的は塗料の塗布面を整えることです。塗料を塗装する面をできる限りきれいにすることが大切です。汚れの上から塗料を塗ると、異物が邪魔になり塗料の効果が半減します。2つ目は、表面にあえて傷を付ける目荒しで塗料の密着度を高めることです。塗料はツルツルの面に塗布するよりも、凹凸がある方がはがれにくくなります。塗料の密着度を高め、早期に塗装がはがれることを防ぐためにもケレンは重要な作業になります。ケレンをしないと、早期に塗装がはがれるだけでなく、塗料の効果が十分に発揮できない、サビが進行するなどトタン屋根の劣化の原因にもなります。塗装の仕上がりや耐用年数を大きく左右するケレン作業。きれいに見える塗装面でも、ケレンを怠らないようにしましょう。
3.下塗りで錆止めトタン屋根にいきなり上塗り塗料を塗布すると、すぐに塗装が剥がれてしまい塗り直しということになります。下塗りすると、上塗り塗料の密着度が上がり塗装がはがれにくくなるので、省かないようにしましょう。トタン屋根の場合、下塗りには錆止め効果がある塗料を使いましょう。トタン屋根はサビが発生しやすいので、錆止め効果がある塗料を使用すると塗装が長持ちします。サビの進行を抑えられるので、トタン屋根自体の寿命をのばすことにもつながります。

トタン屋根塗装の費用相場

トタン屋根塗装に費用相場は、一般的な2階建て住宅の場合(塗装面積50~80㎡)足場費用込みで約40~70万円。トタン屋根塗装の費用は、平米単価で計算されるので屋根の面積によって価格が変わります。また選ぶ塗料によっても価格は変動。予算に合わせて塗料を選びましょう塗料は、長期的な視点で選ぶことが大切です。耐用年数が短い塗料を選ぶと、塗装するたびに足場代や洗浄作業など塗料以外の費用がかかり、結果的にメンテナンスコストが上がってしまいます。また塗装の前にトタン屋根の補修が必要な場合も別途費用がかかります。費用の簡単な内訳は以下のようになります。トタン屋根の塗装の施工期間は、およそ10~15日。雨などの天候にも左右されます。

トタン屋根のメンテナンス時期

トタン屋根のメンテナンス時期は、はじめて施工してから7~10年。他の屋根材と比較すると劣化しやすく、耐用年数は短くなっています。トタン屋根はサビやすく、衝撃に弱い屋根材です。しかし、定期的にメンテナンスすることで耐用年数を伸ばすことも可能です。メンテナンス時期以外でも、屋根の状況をチェックし、

  • 色あせ
  • チョーキング
  • コケ・カビ
  • ひび割れ
  • 塗膜の剥がれ
  • サビ
  • トタン屋根の破損

以上のような症状を発見したら、早めに塗装などのメンテナンスをしましょう。

まとめ:トタン屋根の補修は塗装で可能!

トタン屋根は安価で施工しやすいので、かつてはよく使われていた屋根材です。トタン屋根はサビやすく、劣化しやすいので定期的なメンテナンスが必須です。サビや塗装の剥がれ、ひび割れは、塗装で補修可能です。早めに補修することで、トタン屋根の寿命を伸ばすことにもつながります。サビや塗装の剥げを放置するとトタン屋根に穴が開き、トタン屋根全面取り替える、葺き替えが必要になる場合もあります。DIYでの塗装は危険を伴うため、あまりおすすめしません。トタン屋根の不具合を見つけたら、できるだけ早めに塗装業者に相談しましょう。

耐用年数

約2~3年

費用相場

約800〜1,000円/㎡

耐用年数

約5~7年

費用相場

約1,000〜1,500円/㎡

耐用年数

約8~10年

費用相場

約1,500〜2,000円/㎡

耐用年数

約12~15年

費用相場

約2,000円~/㎡

種類

作業内容

サビ面積

費用相場

1種ケレン

  • 非常に激しく腐食した場合に行う
  • ブラスト工法(高圧ホースで研磨剤を吹き付け、古い塗膜やサビを落とす)
  • ほとんどの一般住宅では適用されない

3,000~4,000円/㎡

2種ケレン

  • 主に鉄骨構造の建物を対象
  • 電動工具や手動工具で削り続ける
  • 使用する工具は、「ディスクサンダー」「ワイヤーホイール」「パワーブラシ」「ニューマチックハンマー」などの強力な電動工具

30%以上

1,500~2,200円/㎡

3種ケレン

  • 最も多く採用されているケレンの作業方法
  • 部分的で軽微なサビや剥がれを除去する場合が多い
  • 使用する工具は、「ワイヤーブラシ」「スクレーパー」「やすり」「ケレン棒」などの手動工具
  • 汚れた塗膜のみを除去しきれいな塗膜は残す

5~30%

600~1,200円/㎡

4種ケレン

  • 全体的にダメージが少なくサビが特に見当たらない場合に適用
  • 軽く目荒しする清掃作業(目荒しとは塗膜の密着度を上げるため表面に凸凹をつけること)
  • 使用する工具は「ワイヤーブラシ」「ほうき」「サンドペーパー」「研磨スポンジ」など
  • 表面の洗浄作業だけで終わることもある

なし

200~400円/㎡

作業内容

単価

塗装面積80㎡の場合の費用目安(足場は200㎡)

足場代

500~800円/㎡

100,000~160,000円

高圧洗浄・清掃

200~300円/㎡

16,000~24,000円

ケレン

300~500円/㎡

24,000~40,000円

下塗り

600~800円/㎡

48,000~64,000円

中塗り・上塗り

2,000~4,500円/㎡

160,000~360,000円

その他諸経費など

20,000~30,000円

20,000~30,000円

合計

 

368,000~678,000円

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