コラム

2021.08.27

瓦屋根の葺き替え費用はいくら?おすすめの屋根材や葺き替え時期も紹介

  • 屋根知識
瓦屋根の葺き替え費用はいくら?おすすめの屋根材や葺き替え時期も紹介

瓦屋根をきれいに保つためには、適切な時期にメンテナンスを行うことが大切です。

瓦屋根は耐用年数が非常に長いのが特長ですが、耐用年数を超えた屋根は葺き替え工事が必要です。

屋根の葺き替え工事とは、既存の屋根を撤去して新しい屋根材に置き換えること。屋根を下地から全面リフォームできるので、屋根だけでなく家を長持ちさせることにもつながります。

しかし

  • わが家の屋根には葺き替え工事が必要?
  • 葺き替え工事の費用は?

など、葺き替え工事に関する悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、瓦屋根の葺き替え工事について解説します。葺き替え工事の必要性や適切な時期についても解説しますので、参考にしてください。

この記事でわかること

  • 屋根葺き替えのメリットやデメリット
  • 瓦屋根の葺き替えにおすすめの屋根材
  • 瓦屋根の葺き替え費用相場
  • 瓦屋根の葺き替え時期
  • 優良業者を選ぶコツ

 

屋根葺き替えのメリット・デメリット

屋根葺き替えは、屋根の性能を一新させ家の機能を向上させます。しかし、屋根葺き替えにはメリットだけでなく、デメリットもあります。

自宅屋根の葺き替えのタイミングとともに、メリットやデメリットも考慮して葺き替えを検討しましょう。

 

1. 屋根葺き替えのメリット

屋根葺き替えの主なメリットは次の4点です。

  • 下地を補修や点検ができる
  • 雨漏りなどの自然災害の危険を防げる
  • 家の外観を一新できる
  • 耐震性の向上

既存の屋根材を撤去するので、下地の補修や点検ができます。雨漏りがある場合は、補修箇所がわかりやすく作業もしやすいので、きれいに補修できます。すべての下地を確認できるので、小さな補修箇所にも気づくことが可能です。

屋根全体をリフォームするので、自然災害による雨漏りなどのトラブルを未然に防げます。雨漏りは家の柱や構造体にダメージを与え、家の寿命を縮めます。屋根を補修することは家全体を守ることにつながります。

瓦屋根などの重い屋根材から金属瓦など軽い屋根材に変えることで、耐震性も向上。屋根材が軽いと、家が軽量化し柱や基礎にかかる負担が減るので地震に強い家になります。屋根葺き替え工事をすることで、屋根だけでなく家の寿命も伸ばるのは最大のメリットです。

また屋根は家の外観の大部分を占めています。屋根葺き替えをすると、新築の家に住むように気分を新たにできるでしょう。

 

2.屋根葺き替えのデメリット

屋根葺き替えのデメリットは、次の3点です。

  • 費用がかかる
  • 工期が長い
  • 工事中に雨漏りの可能性

屋根の塗装やカバー工法と比べ、葺き替え工事は屋根全体の工事になるので施工面積が広く、費用がかかります。また既存の屋根材の撤去費用や処分費用、下地の補修費用もかかるため費用が高額になってしまいます。工期も長くなるので、それだけ人件費もかかります。

古来の屋根瓦の下地にはアスベストが含まれているものがあり、撤去するためには近隣へ飛び散らないような配慮が必要です。さらに、処分するためには特別な処分費用もかかります。

屋根葺き替えを行えば、次のメンテナンス時期までの期間が伸びます。少しずつ補修を繰り返すよりは、葺き替えしたほうがトータルコストは安くなる可能性もあります。

屋根葺き替え工事の場合、屋根が一時的に取り払われるので工事中に雨漏りの危険性も。工事中は天気予報をこまめにチェックし、雨対策を十分に行うことが重要です。

このように屋根葺き替えは、作業も多いので工期も長くなってしまい、実生活に影響がでることもあります。

 

瓦屋根葺き替えの手法

瓦屋根は

  • 土葺き
  • 引掛け桟葺き

以上2種類の手法があります。瓦屋根の手法により、葺き替え費用が大きく異なります。

順番に解説します。

 

1.土葺き

古来からある瓦屋根の設置工法で、瓦を水で練った土で固定しています。

正確にきれいに瓦を設置するには高い技術が必要で、今では設置できる職人が少なくなっています。明治~昭和初期に主流の工法で、現在の新築住宅では使われていません。

土葺きは断熱性が非常に高く、葺き土に保水効果があり雨漏りもしにくくなっています。雨音などの防音効果もあり、その重さにより台風などで屋根が飛ばされにくい特長もあります。

土葺き屋根は、大量の土で屋根が重くなるため耐震性が低くなります。また、屋根が重いので柱や梁の太くて頑丈なものが必要に。経年劣化で土が減ると瓦がずれ、雨漏りの原因にもなります。

関東大震災で倒壊した家のほとんどが土葺き工法であったため、それ以降は減少しました。関西では大きな地震がなく、しばらくは土葺き工法が行われていましたが、阪神大震災により多くの家屋が倒壊し土葺きは減少しました。

土葺きの屋根を葺き替える場合は、瓦だけでなく葺き土もきれいにはがすため、引掛け桟葺きの葺き替えに比べると倍以上の労力がかかり、大量の土の処分費用も余計にかかります。また土葺きの家には断熱材がないことが多く、新たに断熱材を入れる必要があります。

 

2.引掛け桟葺き

土で瓦を固定するのではなく、桟木を設置して瓦をひっかけて固定する工法です。現在の瓦屋根の工法は、ほとんどが引掛け桟葺き工法で施工されています。

まず防水シートを野地板に付け、桟木を取り付けて瓦の爪をひっかけて固定します。瓦が落ちにくいように釘を使うこともあり、瓦が落ちにくくなっています。

土葺きに比べ瓦が大きいので必要枚数が減ります。さらに、瓦の下に葺き土がないので屋根が軽量化し、耐震性が向上します。

土葺き屋根は古い屋根であることが多く、土葺き屋根から引掛け桟葺きへの葺き替えはよく見られます。

 

瓦屋根の葺き替えにおすすめの屋根材

瓦を葺き替える場合、同じ瓦がいいのか、別の瓦にした方がいいのかと迷いますよね。ここでは、おすすめの屋根材を3つ紹介します。

 

1.日本瓦

瓦屋根は、日本古来からある屋根材です。

古き良きイメージで古民家風の家にしたいという方から人気の屋根材です。

 

メリット

デメリット

  • 耐用年数が長い
  • 断熱性や遮音性、耐水性が高い
  • 色あせしにくい
  • メンテナンスが少ない
  • 葺き替え費用が高い
  • 漆喰はメンテナンスが必要
  • 耐震性が低い
  • 台風や地震で瓦が落ちて割れることがある

 

日本瓦の耐用年数は50~100年とも言われ、非常に長いのが特長です。色あせしにくく、サビなどの腐食も少ないので、メンテナンスの回数が少ないことがメリット。ただし、漆喰部分のメンテナンスは必要なので、定期的な点検は必要です。

日本瓦は、下地と瓦の間に空気層ができて熱を遮断するため夏場は涼しく過ごせます。湿気もこもりにくいので結露しにくく、冬場も快適に過ごせます。また空気層は、雨音などの外部の音も遮音してくれます。

デメリットは、瓦の費用が高いので葺き替え費用が高くなる点。

瓦は他の屋根材と比べると重いので、家にかかる負担が大きくなります。屋根が重いと耐震性も下がります。また重い屋根を支えるため家の躯体も通常よりも頑丈にする必要が。新築の際は、屋根の重さを計算に入れて建てるので問題ありませんが、他の屋根材から瓦屋根に葺き替える場合は耐震性の面からもおすすめしません。

 

2.スレート

スレートは、「コロニアル」や「カラーベスト」と呼ばれる屋根材です。これらは呼び方が違うだけで同じスレート屋根。スレート屋根は、日本の住宅の屋根材としては主流の人気のある屋根材です。

 

メリット

デメリット

  • 葺き替え費用が安い
  • 色合いが豊富
  • 軽量で耐震性が高い
  • 施工できる業者が多い
  • 塗装メンテナンスが必要
  • 割れやすい
  • 耐久性が低い

 

スレートのメリットは、葺き替え費用が安いことです。施工に必要な部材がスレート本体以外ほとんどないので、費用をかけず施工できます。スレートは瓦の半分程度の重さしかなく軽量なので、家に負担もかからず耐震性も高くなります。

スレート屋根は、日本で多く普及しているため施工できる業者が多くあります。施工できる業者が多いと、長期的に見て補修やメンテナンスの際にも安心です。

スレート屋根は、塗装のメンテナンスが必要です。紫外線などにより塗装が劣化すると、色あせや塗装剥がれが起こります。塗装がはがれると、スレートに雨水が侵入に雨漏りの原因になります。

厚さ5mm程なのですぐに割れてしまいます。台風などの飛来物や野球ボールがあたっただけでも簡単に割れてしまいます。反りや浮きも起こりやすく、その部分から雨漏りする可能性も。耐久性が低いこともデメリットです。

 

3.ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、ガルバリウムでメッキされた金属板のことです。デザイン性が高くおしゃれなので、デザイナーズハウスなどでよく使用されています。

メリット

デメリット

  • 耐久性が高い
  • デザイン性が高い
  • 耐震性が高い
  • サビに強い
  • 防水性が高い
  • 汚れにくい
  • へこみやすい
  • 業者が少ない
  • 葺き替え費用が高い
  • 断熱性が低い
  • 遮音性が低い

 

ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、耐用年数は20~30年と言われています。きちんとメンテナンスを行えば40年以上もつとも言われ、瓦の次に耐用年数が長くなっています。とても軽量なので、耐震性も高いのが特長です。

ガルバリウムは金属板ですがサビに強く、スレートや瓦のようにひび割れも起こりません。湿気や雨水も吸収しないので、汚れが付きにくくカビやコケが発生しにくいこともメリット。加工しやすいのでデザイン性に富み、洋風から和風までさまざまなデザインになじみます。

デメリットは、葺き替え費用が高いことです。スレート屋根に比べ価格が高価なので、施工費用が全体的に上がります。ひび割れなどはありませんが、へこみには弱く台風などの飛来物で簡単にへこんでしまいます。厚みのあるものや断熱材一体型のガルバリウム鋼板を選ぶことで、衝撃に対する強度を上げられます。

金属製の薄くて軽い屋根材なので、断熱性や遮音性も低くなります。屋根材に採用する際には、断熱材をしっかりと入れるか、断熱材入りのガルバリウム鋼板を選ぶのがおすすめです。

 

瓦屋根の葺き替え費用相場

瓦屋根の葺き替えの費用はいくらくらいだろうと不安な方も多いのではないでしょうか。ここでは、瓦屋根の葺き替え費用の相場を紹介します。費用の相場を知り、業者が提出した見積書を判断する材料にしてください。

 

1.葺き替えの費用

瓦屋根の葺き替え費用の相場は、おおよそ70~240万円です。選ぶ屋根材や、屋根の面積によって費用は異なります。

瓦屋根から葺き替える屋根材別の費用の目安

屋根材

屋根面積100㎡の相場

合計工事費用

80~120万円

100~240万円

スレート

50~80万円

70~160万円

ガルバリウム鋼板

60~90万円

100~210万円

 

以上のように、選ぶ屋根材によって費用は異なります。

  • 費用を抑えたい場合→スレート屋根
  • 耐震性やデザイン性を重視する場合→ガルバリウム鋼板
  • これまでと同じデザインにしたい場合→瓦

どのような屋根にしたいのかを考慮し、目的にあった屋根材を選びましょう。

 

2.葺き替えの費用内訳

それでは瓦屋根葺き替え工事の費用の内訳も見てみましょう。

屋根面積100㎡の場合

工事内容

㎡あたりの費用

100㎡あたりの費用

既存屋根材の撤去費用

3,000~5,000円

30~50万円

下地補修

1,500~3,000円

15~30万円

防水シート(ルーフィング)

500~1,000円

5~10万円

8,000~12,000円

80~120万円

スレート

5,000~8,000円

50~80万円

ガルバリウム鋼板

6,000~9,000円

60~90万円

その他工事(諸経費・管理費など)

一式

3~5万円

足場代

600~1,000円

6~10万円

 

屋根の葺き替え工事では足場の設置は必須です。意外に費用がかかりますが、安全な工事を行うため外せない項目です。

また瓦屋根の場合、手法が土葺き、引掛け桟引きかによっても既存屋根の撤去費用が異なります。土葺きの場合、撤去費用が相場以上にかかる可能性もあります。また土埃など近隣への配慮も必要です。

古いセメント瓦でアスベストが使用されている場合は、別にアスベストの撤去費用がかかることもあります。

業者の見積書をよく確認し、何にいくらかかっているのか、費用は適切かをチェックしましょう。わかりにくいことがあればすぐに業者に質問しましょう。

 

瓦屋根の葺き替え時期

瓦屋根の葺き替え工事は高額です。

しかし瓦屋根の耐用年数を過ぎると、瓦のひび割れやズレなどから雨水が侵入し屋根全体の耐久力が下がります。また雨漏りは屋根だけでなく、家の中にも侵入し躯体の腐食の原因にもなります。躯体に被害を受けると、屋根の補修だけでは終わりません。最悪の場合、家の建て替え工事が必要になることもあります。

葺き替え工事の目安となる瓦屋根の耐用年数は次の通りです。

耐用年数

釉薬ありの日本瓦

50~60年

釉薬なしの日本瓦

40~50年

セメント瓦

30~40年

 

釉薬ありの瓦は、釉薬瓦(ゆうやくがわら)と呼ばれます。粘土で瓦の形を作り、ガラス質の釉薬をかけて高温で焼き上げます。茶碗などの陶器と同じ過程で作られるため、陶器瓦とも呼ばれます。50~60年が葺き替え工事の目安です。

釉薬なしの日本瓦は、いぶし瓦や素焼き瓦、窯変瓦などがあります。釉薬瓦と違い釉薬をかけていないので、経年劣化による変色や水が浸透しやすくなります。そのため、釉薬瓦よりも耐用年数は短くなります。

セメント瓦は、それ自体に防水機能はありません。塗装により防水機能を保っているため10年を目安に定期的な塗装が必要です。適切にメンテナンスを行った場合の耐用年数は30~40年です。

以上の耐用年数を参考に、瓦屋根の葺き替えを適切な時期に行いましょう。

 

瓦屋根の葺き替え業者を選ぶ時のポイント

瓦屋根の葺き替え工事は高額です。選んだ業者によって金額や品質、工事内容はさまざまです。家の寿命にも関わる工事なので、信頼できる優良業者を選びたいですよね。

ここでは、優良業者を選ぶポイントを4つ解説します。ぜひ、業者を選ぶ参考にしてください。

 

1.屋根に上がって点検を行う

見積りを作成する際に実際に屋根に上がって点検する業者であるかチェックしましょう。

屋根葺き替え工事は、現地調査が非常に重要です。屋根に起こっている不具合を確認するためには、実際に屋根に上がらないと確認できません。

また屋根裏を確認し、雨漏りなどが家の内部に侵入していないかもチェックすることも重要。屋根材を確認し、どのような葺き替え工事が必要であるかの確認も必要です。

現地調査では、工事の必要性も判断できます。瓦屋根は耐用年数が長いので、現地調査の結果、葺き替えではなく部分補修で問題ない場合もあります。丁寧に現地調査を行うことで、実際に屋根に必要な工事を明確にできます。

悪徳業者の中には、屋根がどんな状態でも葺き替え工事にもっていく、わざと屋根材を壊すなどの業者もいます。現地調査の際には、なるべく立ち合いすることをおすすめします。

 

2.見積書が詳細

見積書の工事内容の項目が詳細に分けてある業者を選びましょう。

一式を多用している業者は要注意です。諸経費など一式の項目もありますが、葺き替え工事一式はあり得ません。屋根面積も詳細にしないのは、そもそも屋根面積を測っていない可能性もあるのです

項目がはっきりしていない場合、曖昧な工事になる可能性があります。必要な工程が抜けていても、確認できません。こちらがしてくれると思っている工事内容と違う工事になったというトラブルも起こりやすいので、詳細に項目が書かれていない業者は選ばないようにしましょう。

工事内容に疑問がある場合は、業者に質問しましょう。写真や動画などを使い、工事の必要性や方法を丁寧に説明してくれる業者は信頼できる可能性が高いでしょう。

 

3.写真を撮って報告する

屋根の上は自分で確認できないので、細かく写真を取って説明してくれる業者を選びましょう。中には動画で状況を撮影し、細かく説明してくれる業者もいます。屋根の状況をできるだけ詳しく、素人にもわかりやすく工事の必要性を説明してくれる業者は優良業者の可能性が高いでしょう。

また、作業工程の説明があることも大切です。作業工程の説明があればその日にどのような工事が行われているのか把握できます。葺き替え工事中の写真をまとめて提示してくれるとさらに安心です。毎回作業工程を残してくれれば、信頼して工事を任せられます。

見積り依頼時に、葺き替え工事中の作業写真を残してもらえるかを確認してみましょう。

 

4.訪問営業でない

訪問営業は、ほとんどの場合が悪徳業者です。

一軒一軒訪問する営業は、非効率的。優良企業であれば、非効率的な営業方法を取らなくても依頼はどんどん来ます。わざわざ訪問営業するということは、よほど実績がないか評判が悪い企業である可能性が高いということ。

そうでないとしても訪問販売は契約を急がせたり、不安をあおったりとトラブルになりがちです。無料で点検しますなどという言葉にも乗らないようにしましょう。たとえ優良業者だと感じても、その場ですぐに契約するのはやめましょう。

 

まとめ:瓦屋根の修理は葺き替えがおすすめ!

瓦屋根の修理は、葺き替えがおすすめです。部分補修を何回も行うよりも葺き替えしたほうが、次のメンテナンス時期までの機関が伸びるので、結果的にコストを安く抑えられることもあります。

瓦屋根の耐用年数は非常に長いので、葺き替え時期を忘れがち。瓦屋根の場合、塗装などは不要なことが多いのですが、漆喰部分のメンテナンスは必要です。

瓦屋根の状態が気になったら、専門業者に依頼して屋根の状況を確認してもらい、葺き替え工事の必要性を確認してもらいましょう。

この記事をシェアする

おすすめコラム記事