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2021.07.16

瓦屋根が雨漏りをする原因は?対処法とDIYで修理する方法を解説

  • 屋根知識
瓦屋根が雨漏りをする原因は?対処法とDIYで修理する方法を解説

伝統的な日本家屋によく使用されている屋根瓦。その耐久性は高くその寿命は50年以上と言われています。非常に性能の高い屋根瓦ですが、長く良い状態で保つためには、定期的な点検を行わなければなりません。

そこで本記事では万が一、雨漏りを引き起こしてしまった場合、どのような対処するべきなのか、費用がいくらかかるのかを詳しく解説します。また、屋根瓦から雨漏りしてしまう原因を紹介していきます。

 

瓦屋根の概要


まずは、瓦屋根の基本的な構造や種類について紹介します。理解を深めることにより、雨漏りを引き起こしてしまう原因を探ることができるでしょう。ここでは瓦屋根の構造・設置方法・種類を挙げていきます。

 

1.瓦屋根の構造

一般的な瓦屋根は三重構造となっています。骨組みの役割をする垂木に下地材を貼り、その上から屋根瓦を設置します。下地材の主な目的は、主に防水シートを使用し雨水の侵入を防ぐことです。

このような何重にもなっている屋根は、瓦屋根に限らず一般的な住居の屋根にも同様に用いられています。瓦屋根の一番高い部分は「棟瓦」と呼ばれ、面が曲がっているため、隙間が生じてしまいます。

その隙間を埋めるために「漆喰」という防火性や調湿効果の高い壁材をが使用されます。主な目的は、土台を安全に保つ働きです。

 

2.瓦屋根の設置法

瓦屋根には、主に2つの設置方法が用いられます。ここでは、古くから用いられている「土葺き工法」と近年主流となっている「引っ掛け桟瓦葺き工法」を紹介します。

 

2.1.土葺き工法

伝統的な屋根瓦によく用いられている土葺き工法は、下地の上に粘土をのせて瓦を設置する方法です。しかし瓦と粘土の総重量が重いため、住宅に負荷がかかってしまうところが難点。そのことから、近年ではあまり見かけない工法です。

築40年以上経過している住居は、土葺き工法を用いた方法で屋根を設置している可能性が高くなります。

 

2.2.引掛桟瓦葺き工法

桟木と呼ばれる、瓦をしっかり結びつけるために使用される材料を用いて、瓦を引っ掛けて固定する方法です。固定する際には、主に釘が使用されます。土葺き工法に比べ総重量が半分以下となり、耐震性の面からも近年の瓦屋根を設置する際に採用されている工法です。

 

3.瓦屋根の種類

瓦屋根と聞くと、和風の住宅や建築物を想像する方も多いかと思います。しかし瓦屋根の種類は幅広く、日本瓦だけでなく洋風の住宅にも馴染む洋瓦もあります。日本瓦の主な種類は以下の3点です。

  • いぶし瓦
  • 釉薬瓦
  • 素焼き瓦

味のある「いぶし瓦」、美しい艶が特徴の「釉薬瓦」、素材そのままの趣を感じられる「素焼き瓦」となどといった多種多様なものがあります。

屋根瓦は、雨水の侵入を防ぐために行う塗装が不要です。そのため、塗装費が抑えられる点が最大のメリット。また耐久性に優れており、寿命は50年以上とも言われています。しかし、瓦葺きを行ってくれる業者は減少傾向にあります。

またスレートやトタンと比較すると屋根材が重いため、耐震性が心配という声もありました。次に洋瓦について解説していきます。主な洋瓦の種類は以下の2点です。

  • セメント瓦
  • モニエル瓦

洋風の瓦には、平面タイプやウェーブタイプなどといったデザイン性の高い瓦が豊富です。しかし、日本瓦と比べ定期的なメンテナンスや塗装が必要となります。そのため、コストがかかってしまう所が難点と言えるでしょう。

 

瓦屋根の雨漏りを放置したら危険な理由

屋根瓦は、木材を多様していることもあり雨漏りの発生後、適切な修繕を行わないと思いがけないトラブルを引き起こします。主に以下の5つが発生する可能性が考えられます。

  • 瓦のヒビ割れや隙間から雨水が侵入してしまう
  • 雨水が防水シートを破り、骨組みに染み強度が低くなる
  • 下地が腐敗し、耐震性が下がってしまう
  • 劣化した住宅が屋根を支えられず崩壊してしまう

このように、雨漏りを放置していると最悪の場合、建物が崩壊してしまいます。屋根の破損で留まらず、大きな被害に繋がってしまうため信頼できる専門業者に定期的なメンテナンスを依頼しましょう。

 

瓦屋根が雨漏りをする原因

ここまで、瓦屋根の種類や雨漏りの危険性を紹介してきました。では、どのような理由で雨漏りが発生するのでしょうか。以下では、瓦屋根が雨漏りをする原因を解説します。

 

1.瓦のズレ・ワレ

瓦は長い期間、雨風にさらされると経年劣化をしてしまいます。劣化によって耐久性が落ちて瓦がわれてしまったたり、瓦ワレを起こしたりしてしまうことも。また、強い地震や外部からの衝撃により瓦屋根が劣化してしまう可能性もあります。

劣化や衝撃によって生じてしまった瓦のズレや割れてしまった隙間より雨水が侵入して、建物の構造まで雨水が侵食していきます。

 

2.漆喰の剥がれ

漆喰は、瓦屋根の隙間に使用し雨漏りを防ぐ建築材料です。しかし、強い雨風や台風で漆喰が剥がれ、該当箇所から雨水が侵入してしまいます。また、瓦屋根のズレによって漆喰が一緒に剥がれてしまうケースもあるようです。

また、割れて流れてしまった漆喰が雨樋を詰まらせ上手く雨水の排水を行えず逆流してしまう恐れも。漆喰が剥がれていることに気がついたら早急に業者へ相談してください。

 

3.葺き土の減少

葺き土は、雨水の侵入を防ぎ瓦屋根を固定する役割です。その葺き土は、長年の雨風により徐々に流れ出てしまい、減少していきます。次第に雨水が瓦屋根を貫通し、葺き土より下に敷いてある下地まで届いてしまうと雨漏りが発生してしまいます。

寿命が長く耐震性が高いからと言って長年放置しておくと、土が減少していることに気づかず、思わぬところで住宅に被害が起こってしまいます。

 

4.雨樋の詰まり

屋根に溜まった雨水を流してくれる役割の雨樋。この雨樋に落ち葉やゴミなどが詰まってしまうことがあります。排水できなかった雨水は、溢れてしまい外壁から住居に侵入してしまいます。

意外にも雨樋が雨漏りの原因と知らなかったという方も多いようです。一度、自宅の雨樋がどのような状態か確認しても良いでしょう。

 

5.防水紙の劣化

防水紙を敷いた上に瓦屋根を設置したとしても、雨漏りしないとは限りません。葺き土に比べ、雨漏りが起こりにくいですが、防水紙にも寿命があります。そのため、雨水の侵入を必ず防げるわけではなく、劣化した防水紙は腐食してしまい本来の機能を果たせません。

防水紙の寿命は最大20年と言われています。ある程度築年数が経過したら、一度防水紙の状況を確認してみることをおすすめします。

 

6.板金の劣化

雨水の通り道となっている板金は、負担がかかりやすく経年劣化しやすい箇所です。そのため穴が空いたり、傷がついたりと気が付かないうちに劣化が進んでしまい雨漏りが発生してしまうことも。

実は、瓦屋根本体よりも板金や漆喰の剥がれなどといった劣化が雨漏りに直結しやすいのです。

 

雨漏りをした時の対処法と費用

瓦屋根の劣化によって雨漏りをしてしまった場合、原因となる箇所によって対処法は異なります。その中でも主な原因として挙げられる以下の5点について対処法や費用を詳しく解説します。

1.瓦の補修・コーキング瓦屋根が割れてしまった場合や、コーキング材が使用されている所は、コーキングを用いて修繕をします。瓦のズレに関しては、コーキングでは修復できまでん。この場合は、専門業者より葺き直すことを勧められるでしょう。劣化した瓦のみを葺き直すのであれば、あまり手間がかかりません。既存の屋根を使った葺き直しを行う場合も時間をかけず、コストを抑えた修繕が可能です。しかし、新しい屋根材を設置するとなると、時間を要してしまいます。補修にかかる費用は、ひび割れは約5000円〜、瓦ズレ補修は約2万円〜、瓦の交換は一枚あたり1万円〜5万円が相場だと言われています。
2.ルーフィングの交換ルーフィングとは、瓦屋根の下に敷かれている防水シートのこと。防水シートは半永久的に使えるものではないため、定期的にルーフィングの状態を確認することをおすすめします。雨漏りの原因でもある、ルーフィングの劣化に気づいたら早急に交換しましょう。現在、既存の瓦屋根が土葺き屋根工法の場合、より耐震性に優れた葺き替えを推奨します。ルーフィングの交換は、施工代を含めて1㎡あたり1,000円〜2,000円前後の費用がかかります。またルーフィングの種類により性能が異なるため、住居に適切なものを選んで下さい。
3.板金の交換板金の浮きや、緩みが原因で雨漏りが発生している場合は、板金を交換します。劣化した釘穴から雨水が侵入してしまった場合、釘を打ち直すだけでは雨漏りは改善しません。板金の交換は、範囲にもよりますが約2万円〜交換することが多いようです。
4.漆喰の塗り直し経年劣化や寿命が近づいた漆喰は、既存の漆喰を一度全て取り除いてから新しく漆喰を塗り直します。同じ隙間を埋める目的であるコーキングは漆喰の代用にはなりません。コーキングは、隙間を完全に埋めてしまうため、湿気を逃がせず屋根材を痛めてしまう可能性も。漆喰の修復は漆喰の塗り直しで対応するようにしましょう。
5.葺き替え・葺き直し葺き替え、葺き直しとは既存の瓦屋根を全て取り除き、修繕を行う際に使われます。葺き替えは、新しい瓦屋根を設置します。葺き直しの場合、既存の屋根瓦を再度設置する方法です。葺き替え、葺き直しどちらの方法を利用して修繕を行うかは、屋根の劣化状況によって変わってきます。屋根の痛みが激しい場合や、耐久性が落ちている場合などは一部の破損であっても葺き替えを勧められるでしょう。

瓦屋根を自分で修理する方法

雨漏りが発生したり、瓦屋根の欠損を見つけたりしたらすぐに専門業者に相談しましょう。自力で治そうとすると、被害を悪化させる可能性もあります。しかし、台風の後などは業者が混み合いすぐに対応してもらえないことも。そんな時に応急処置として屋根瓦を修理する方法をお伝えします。不安定な屋根に登る作業のためくれぐれも安全に配慮して行ってください。
1.コーキングホームセンターなどで手に入るコーキング材を使用して瓦屋根のヒビ割れの修繕が可能です。瓦屋根の汚れを落とし、割れている箇所にコーキング材を塗ります。ヘラを使って表面を平らに伸ばします。その際に固まってしまう前に素早く行いましょう。完成したら、瓦屋根を元の位置に戻して下さい。難易度が高い作業ですので二人以上で行うことをおすすめします。
2.パテ隙間を埋める目的で用いられるコーキングと似ていますが、パテは瓦屋根の隙間を埋めてへこみを修復する際に使用されます。大手通販サイトでは700円と安価で販売されているため試してみても良いでしょう。使用方法は割れた瓦部分にパテを埋め込み、余計なパテが出たら拭き取って下さい。この際に凹凸を残してしまうと、その部分から劣化してしまいます。瓦屋根の補強が完了したら元の位置に戻しましょう。
3.防水テープ防水テープは応急処置の中でも手軽にできる修繕方法です。瓦の汚れを拭き取り、防水テープを貼ります。2,3回重ねて貼ることで防水効果を高めます。瓦を戻す前に、下地に問題がないか確認してくだい。防水テープは、粘着性が高く頑丈なので、瓦屋根をしっかり固定してくれるます。

瓦屋根は定期的にメンテナンスをしよう

一般的に瓦屋根の寿命は、20〜40年です。日本瓦の場合は、50〜80年と長く安定して使用できます。寿命や耐用年数にかかわらず、築年数20年を経過した頃からメンテナンスを検討して下さい。築年数が30年以上立つと、瓦の下地や骨組みが劣化していることもあります。早期から瓦屋根に気を配ることで、いち早く劣化や破損に気付けるでしょう。築年数が立っている住宅は、部分的な修理ではなく葺き替えなどの全体的な修繕が必要となってしまいます。屋根を良い状態で保つためにも定期的なメンテナンスを検討して下さい。

まとめ:瓦屋根の雨漏りは放置すると危険!

瓦屋根は、耐久性に優れ寿命が長い点がメリットです。しかし定期的なメンテナンスを怠ってしまうと、屋根材が劣化し雨漏りを引き起こしてしまいます。また雨漏りを放置すると建物自体の耐久性や耐震性が落ちてしまい、思わぬトラブルが起きてしまうかもしれません。雨漏りが起きてしまったら、放置せず専門業者に修繕依頼をしましょう。雨漏りや屋根トラブルを防ぐためにも、日頃から屋根の様子を把握しておくのも良いでしょう。

 

対処法 費用
瓦の補修・コーキング 5000円〜
ルーフィングの交換 1000〜2000円/㎡
板金の交換 2万〜
漆喰の塗り直し 20万〜80万
葺き替え・葺き直し 60万〜200万

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