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2021.08.13

瓦屋根はメンテナンスが重要!チェックポイントと方法を紹介!

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瓦屋根はメンテナンスが重要!チェックポイントと方法を紹介!

近年は安価で強い金属板やスレート屋根材が普及しましたが、瓦屋根は高級感や重厚感を求める方にとても人気の屋根材です。しかし、瓦屋根のメンテナンスをしようと思っても、どんなタイミングでしたらよいか分からない方も多いのではないでしょうか。

この記事では瓦屋根の種類やそれぞれの寿命について解説します。後半では、瓦屋根の部位別のメンテナンス方法やDIYで修理する方法などもご紹介。ぜひチェックしてみてください。

 

瓦屋根のメリット

瓦屋根のメリットは、見た目のほか、遮音性や耐久性に優れている点です。遮音や耐久性は日々快適に暮らす中で重視したい部分。以下でくわしく解説します。

 

1.遮音性

瓦屋根は分厚く重みがある分、遮音性があります。そのため、雨の音が室内に響きにくく、強い雨風でも雨音を気にせず過ごすことが可能です。トタン屋根やガルバリウム鋼板などの金属屋根は、テレビの音や会話が聞こえなくなるほど雨音が響くことも。瓦屋根ではそういったストレスが軽減されます。

 

2.耐久性

瓦屋根の耐久性は、素材にもよりますが、20年から60年ほどと言われています。瓦を支えているパーツや下地の劣化によるものです。瓦以外の漆喰や防水シートは15~20年ごとに交換や修理をする必要があります。

高温で焼いた瓦自体は50年~100年ほどの耐久性があります。そのため、下地やパーツの定期的なメンテナンスを行えば、とても長く使うことができます。雨や火にも強く汚れにくいため、日本に伝わる以前から、ヨーロッパや中国などでも昔から瓦屋根が使われていました。

 

瓦屋根のデメリット

瓦屋根はメリットがたくさんありますが、価格や重量に関してのデメリットがあります。以下で詳しく解説します。ぜひチェックしてみてください。

 

1.価格

屋根瓦のデメリットは、初期費用の高さです。瓦は1枚400円~1500円ほどの値段で売られています。400円の瓦で100㎡を埋めると640,000円ほど。1500円の瓦で2400,000円掛かります。

さらに、工賃や人件費、ほかの材料費などもプラスされるため、金属屋根の施工の2倍程度の費用が掛かると言われています。しかし、瓦は耐久性が高く、メンテナンスの回数が抑えられます。ほかの素材の瓦や金属屋根と比べると、ランニングコストは少ないです。

 

2.重量

屋根瓦の重量は、昔からある粘土でできた瓦で、平均的な一軒家で6tにもなります。非常に重く柱や壁などの建具にかかる負担はかなり大きいです。そのため、地震の多い日本では少し心配です。家が古く、経年劣化が心配な方は、葺き替えメンテナンスの際に見た目が瓦のようで軽いスレート屋根や、金属屋根を選ぶ方も増えています。

 

瓦屋根の種類と寿命

瓦屋根は、素材違いで大きく3種類に分けられます。

  • 粘土瓦
  • セメント瓦
  • 乾式コンクリート瓦(モニエル瓦)

それぞれの特徴と寿命について解説します。ぜひ参考にしてください。

 

1.粘土瓦

粘土瓦は、粘土を高温で焼き上げた陶の瓦です。古くから日本の屋根材として使われていて、各地で手に入る材料により色や風合い、形が異なるため種類が豊富です。種類は大きく分けて2種類、釉薬瓦と無釉薬瓦があります。

釉薬瓦は、うわぐすりを塗って高温で焼くと、化学反応で黒や青などの色になります。ガラス層でコーティングされるため、ツヤっとした見た目の瓦です。無釉薬瓦は、うわぐすりを塗らずに焼いたマットな質感の瓦。

お寺やお城でよく見かける灰色の瓦は、いぶし瓦といって無釉薬瓦を焼いた後にスモークし、炭素をまとわせています。粘土瓦は高温で焼き上げた陶のため、紫外線や温度変化、雨風による劣化が起こりづらいです。汚れを溜めず、カビやコケが生えることもないため、綺麗な状態を長く保つことが可能です。

 

2.セメント瓦

セメント瓦は、型に水や砂、セメントを混ぜ入れて成形し、表面に塗装をした瓦です。厚型スレート瓦とも呼ばれています。焼き物ではないため、自由な形や色も自在。外壁やエクステリアとコーディネートしやすく、2004年までは普及率の高い瓦屋根でした。

しかし、セメント瓦は、季節による温度変化や雨風などで影響を受けやすいです。経年劣化で塗装が剥がれ、ヒビ割れを起こした部分から色褪せや雨漏りが起こりやすくなります。少しの衝撃で簡単に割れることも。寿命は20~30年の間と言われています。

1960年代の普及から2004年までに造られたセメント瓦は、耐久性を持たせるために、アスベストを混入させていることがあります。アスベストを吸い込むと、肺がんやアスベスト肺などの病気の原因に。故意に割ったり切ったりするのは危険なため、2004年以前のセメント瓦をDIYをするのはやめましょう。

 

3.乾式コンクリート瓦(モニエル瓦)

乾式コンクリート瓦とは、水とセメントに骨材を混ぜて成形し、防水のために、専用の塗装の塗膜で覆った瓦です。1970年代に日本に普及し始め、日本モニエルというメーカーによって、造られていたため、モニエル瓦と呼ばれていました。

コンクリートでできた瓦は、断面がでこぼこザラザラしています。モニエル瓦には裏や側面にMのマークがあるため、見分けやすいです。寿命は30~40年経ったら葺き替えが必要です。というのも、コンクリート瓦は2010年で生産が終わり、部分修理ができないため、ほかの瓦や金属屋根に葺き替える方が多いです。

 

瓦屋根の破損を放っておくとどうなる?

耐久性に優れた瓦屋根ですが、長年経過すれば塗装の剥がれや小さなヒビが入ることがあります。瓦屋根の破損を放っておくと、防水シートのルーフィンに水が溜まります。すると更に、下層の野地板や垂木、梁などに雨が染み雨漏りや腐食をさせます。

そうなると弱くなった建具は、重い瓦屋根に耐えられず崩れることに。瓦屋根の破損が大きな致命傷になり兼ねません。台風や集中豪雨、雪などの予測できる災害の前後は、屋根修理業は混んでいます。日頃の定期的な点検が大切です。

 

瓦屋根のメンテナンス時期

瓦屋根のメンテナンス時期は、瓦の素材や表面の塗装によりますが、15年~30年の間にメンテナンスが必要です。セメント瓦で15~20年ほど経つと、退色や塗膜の劣化が出始め、粘土瓦でも15~30年程度で漆喰や防水シートなどの経年劣化が起こります。

セメントと乾式コンクリート瓦で15年、粘土瓦で20年程度に点検とメンテナンスを行うのがおすすめです。

 

 

瓦屋根のメンテナンスでチェックすべきポイント

瓦屋根のメンテナンスでチェックすべきポイントは、全部で5つ。

  • 棟瓦
  • 瓦のズレ・カケ・ワレ
  • 漆喰の剥がれ
  • 水切り板金
  • ルーフィング

それぞれ紹介していきます。

 

1.棟瓦

棟瓦は、頭頂部分に這うように敷かれているトンネル状の瓦です。一番出っ張っている部分のため、台風で飛んできた枝やゴミなどで破損したりズレることがあります。棟瓦から雨漏りが始まると、周りに広まりやすいため、台風や強風の前後は、点検すると安心です。

チェックポイントは、棟瓦の歪みがないか。施工時は、まっすぐと直線的に並んでいます。その棟瓦が歪んでいたら、中の漆喰が崩れていることがあります。放っておくと雨漏りや棟瓦が崩れる原因になるため、放置しないようにしましょう。

 

2.瓦のズレ・カケ・ワレ

15~20年ほど経つと、天候によるダメージが蓄積し、瓦のズレやカケ、ワレが生じやすくなります。一部分であれば簡単な交換や補修で済みます。台風や竜巻、地震によって生じやすいため、前後で確認することが大切です。

瓦が割れていたら、中のルーフィングに水が溜まっていることもあります。合わせて点検し、内部に水を侵入させないことが大切です。

 

3.漆喰の剥がれ

漆喰は、瓦屋根の真ん中の棟瓦の下にあります。棟瓦はトンネル状の瓦と熨斗瓦(のしがわら)という平らな瓦が積み重なり、雨水が下に流れるようになっています。それを接着しているのが漆喰です。

漆喰は、地震や強風、温度変化の影響で劣化し割れたり剥がれたりします。しかし、漆喰が剥がれてきても、すぐに雨漏りするわけではありません。漆喰の下にはルーフィングという防水シートがあるためさほど心配はいりませんが、漆喰の寿命は7~10年と言われています。

 

4.水切り板金

水切り板金は、屋根の補助部材です。2階の壁や天窓、屋根同士のつなぎ目の谷部に設置し、防水や水はけを良くするために用いられます。水切り板金は金属でできていることが多く、経年劣化で退色やサビ、へこみや腐食が起きることがあります。

建材のつなぎ目のため、小さい傷のうちに対処することがおすすめです。退色やサビを早めに塗装で直せばその後10年程度もたせることができます。

 

5.ルーフィング

ルーフィングは、瓦屋根の下に敷く防水シートです。瓦の施工から10~20年程で防水機能が劣化し、ルーフィングの下の野地板が腐食し始めることが多いです。しかし、表から確認できるものではないため、瓦屋根の交換や補修の際に点検してもらう必要があります。

外的な要因は少なく、経年劣化が多いため、アスファルトルーフィングは10~15年、ゴムアスファルトルーフィングであれば20年が交換の目安です。

 

瓦屋根のメンテナンス方法

瓦屋根のメンテナンス方法は、部分補修や交換など、規模により様々ありますが、主に6パターンあります。

  • 瓦の差し替え
  • 漆喰の詰め直し
  • 棟瓦の取り直し
  • 葺き直し
  • 葺き替え
  • 塗装

それぞれの特徴や詳細を解説します。ぜひ参考にしてください。

 

1.瓦の差し替え

割れた瓦やひびの入った瓦が数枚であれば、部分的な瓦の差し替えやコーキングなどのピンポイントの修理で済みます。規模によりますが、1~30万程度で可能です。瓦が落ちたり割れたりしてから日数が経っていない場合に可能です。

雨の浸水や、長期間放置していた場合は、内側まで被害が及んでいる場合があるため、早めの対処が大切です。メンテナンスまでに雨の予報があった場合は、防水シートやテープなどで覆って、中に水を入れないようにしましょう。

 

2.漆喰の詰め直し

漆喰の詰め直しは、棟瓦や熨斗瓦を一旦外し、古い漆喰を通り除いて新しい漆喰で組み直します。昨今では、面戸と呼ばれるシーリング材を棟瓦の隙間に入れることも増えています。漆喰がボロボロと剥がれだし、防水シートや野地板まで浸水していない場合に有効です。

20~80万程度で施工してもらえることが多いです。一部をちょこちょこ直すより、もちが良くなるため、余裕のある方は詰め直しがおすすめです。

 

3.棟瓦の取り直し

棟瓦の取り直しは、棟瓦の蛇行やズレが生じている場合、中の漆喰が崩れて、熨斗瓦がズレ動いている可能性があります。その場合は強風や地震で一気に崩れることも。そんな時は、一旦棟瓦や土台を撤去し、一から組み直す方法を取ります。

劣化した土台をまるまる交換するため、強度がアップ。強度を高めるために、棟瓦を銅線で保持する方法もあるため、業者さんとよく相談して決めましょう。値段は50~170万円程度掛かります。

 

4.葺き直し

葺き直しは、内部のルーフィングや漆喰、野地板などを全て取替えて、元あった瓦を葺き直す工法です。粘土瓦におすすめの工法で、景観を変えずに内部を強化できるため、お寺や文化財などの修理でもよく行われます。

修理費は25~120万程度で済み、コスパも環境にもよい方法です。粘土瓦や、経年劣化のないスレート瓦におすすめの工法です。しかし、施工中に瓦が割れた場合に、同じものが手に入るとは限らないことも。しっかり確認してからメンテナンスを始めることが大切です。

 

5.葺き替え

瓦屋根の葺き替えは、下地や瓦が経年劣化や大きな損傷を受けた際、全部取り換える方法です。廃盤になった瓦の場合は、家の老朽化や耐震性を考えて、軽いハイブリット瓦に穿き替える方も増えています。違う色の瓦や別の屋根材に変えたい方におすすめの工法です。

葺き替え工事には新しい屋根材費が掛かるため、60~200万程度かかります。葺き直しと違い既存の瓦は使わないため、早く作業が進みます。人件費も葺き直しとさほど変わらないため、屋根材によっては、葺き替えたほうがコスパがよいことも。家族や業者さんとしっかり相談して決めてください。

 

6.塗装

塗装のメンテナンスは、セメント瓦の場合は必須です。防水性のある塗膜が剥がれてくるため、塗装が剥げた部分から雨が侵食して雨漏りに繋がります。規模にもよりますが値段は30~130万程度です。

DIYでは下処理や防水加工が不十分になりやすいため、業者にお願いするのがおすすめです。粘土瓦は塗料は使用していないため、塗装の心配はいりません。

 

瓦屋根をDIYで修理する3つの方法

瓦屋根は、一部分の修理や業者にお願いするまでのつなぎとしてDIYで修理することが可能です。主にこの3つの方法です。

  • 防水テープ
  • コーキング
  • パテ

それぞれ紹介します。どれもホームセンターやネットショップで簡単に手に入るため、ぜひ参考にしてください。

 

1.防水テープ

防水テープは、瓦や水切り板金など、水が染みそうな部分に貼って雨を防ぐことができます。防水テープは、濡れている部分や汚れている部分は粘着力が弱くなるため、作業前に綺麗にしてしっかり乾かすのがポイントです。

2~3枚をずらしながら重ねて貼ると強度が高まります。できれば防水テープを貼る前に、瓦を剥がして中のシートや野地板が濡れていないか確認するのがおすすめです。戻せなくなったり割れたりしそうなら、専門業者にお願いしましょう。

また、屋根に登る際は、瓦は波に対して縦方向に踏むと割れにくいです。横方向に踏むと割れやすいため、移動する際は気を付けてください。

 

2.コーキング

コーキングは、瓦の割れた隙間を修理するのにピッタリです。雨漏りの修理業者も使うことが多いです。コーキングは、雨や水の侵入を防ぐために、シリコンで埋めるものです。ガラス窓の隙間やお風呂場や洗面台周りでもよく使うことが多いです。

コーキング材のほか、コーキングガンやマスキングテープ、カッターなども必要です。ガンがあれば、細い隙間の奥に流し込むことができるため、準備するのがおすすめです。30~1時間程度で固まります。

湿った場所でも使えるものがあるため、台風の前後の応急処置におすすめです。劣化しにくく長持ちします。瓦に使うには、外の環境に対応しているものや瓦用を選びましょう。色が豊富にあるため、補修する場所の色に合わせて使うことができます。

 

3.パテ

パテもコーキングと同じような役割で、瓦の割れた隙間や漆喰のワレ部分などに有効です。セメントパテは乾燥すると固まるため、湿った場所には不向き。しかし、パテのみでは強度が足りないため、金属板を裏打ちや防水テープでの補強が必要です。

硬化までに24時間程度掛かるため、晴れた日や湿度の低い時に行いましょう。あくまでも応急処置のため、後日新しい瓦に交換するのがおすすめです。

 

まとめ:瓦屋根は定期的なメンテナンス方法

瓦屋根は昔から使われていた重厚感のある劣化しにくい優秀な屋根材です。しかし、多くの震災を経験して、粘土瓦の重量やセメント瓦のアスベスト問題などがあり、瓦以外の屋根材の普及も増えました。

しかし、現在では、震災の経験から瓦の組み方や建材が強化されています。ぜひ半永久的な瓦を維持するために、表面や内部のメンテナンスをして綺麗な状態をキープしてみてはいかがでしょうか。

瓦の修理や点検で屋根に登る際は、ケガのないように充分気を付けましょう。2人以上で作業するようにしてください。

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